壁を壊し始めました。

『寒い家 改修工事』

いよいよ始まりました。

まずは家具を移動し、床に養生を行います。

床と壁の取合い部にある幅木を取外し、石膏ボードを外してみるとこんな感じになっていました。

  

躯体の内側に胴縁を流し、間に断熱材を充填しています。

良く見ると、耐力壁とそうでない壁で断熱材の厚さ・種類が違っています。

写りが悪くて申し訳ありません。

耐力壁の断熱材は厚さ20ミリのXPSになっていました。

そうでない壁の断熱材は厚さ30ミリのEPSのようです。

鋼製柱の脇に、厚さ100ミリのロックウールを押し込んでいる箇所がいくつかありました。

押し込んでいる柱とそうでない柱の違いは、なんなんでしょうか?

不思議です・・・。

しかし、厚さ20ミリとか30mmとは驚きです。

熱伝導率を0.034と仮定すると、断熱力(熱抵抗)は1.00になります。

厚さ75ミリのALC板の熱伝導率は0.19ですから、断熱力は0.39となり両者を足しても1.39にしかなりません。

FP壁パネルの4.37と比較すると、3割程度の性能しかない事になります。

新省エネルギー基準相当といったところでしょうか。

寒いはずですよね。

写真はエアコン用の下地板の写真です。

厚さ20ミリのランバーコア合板を断熱材の代わりに入れてあります。

また、鋼製柱の室内側には6.8mmのベニヤ板が申し訳程度に貼ってあるだけです。

なんともお粗末な断熱仕様・・・。

1階洋室の壁断熱材を撤去した後、土台を覗いた写真です。

隙間からの明かりが見えると思います。

そういえば、断熱材同志にテープも貼ってありませんでした。

気密はどうなっているのでしょうか?

コンセント廻りもこんな有様です。

こんな穴もありました。

ALC板に穴が2つ開いています。

そこから外を覗くと、防火ダンパーがついたパイプフードが取り付けられています。

えっ

これじゃー、ALC板と断熱材の間の空気は外気と同じになってしまいます。

わずか20~30ミリの断熱材のすぐ裏を冷たい空気が流れていたら、寒いのは当たり前です。

こうした隙間から入った空気は、室温で暖められた石膏ボードの熱により暖められます。

この時、壁の石膏ボードは熱を失い、部屋の暖かい温度を奪います。

一方暖められた壁の中の空気は、上昇気流となり壁の中を上に向かって上がっていきます。

おそらく、軒裏に設けられた換気口あたりから外に排出されるはずです。

負圧になった壁は、隙間から更に冷たい外気を採り込みます。

こうした一連の流れが恒久的に続く事で、壁の中の空気は常に外気と同じ温度となります。

その結果、薄い断熱材は何の効果を発揮する事もなく、寒くて仕方のない家になる訳です。

コンセントから冷たい空気が漏れるのも、当たり前ですよね。

ALC板が断熱材として全く昨日していない以上、柱や梁も、見事な熱橋になってしまいます。

壁内結露、大丈夫かな?

急に心配になってきました・・・。

屋根直下の天井も剥がし始めました。

 

こちらは、鋼製野縁の上に16Kのグラスウールが敷き並べてあるようです。

上写真のように、金物に押されて断熱欠損が見られる箇所も多々あるようですね。

熱橋の上に熱伝導率の高い鋼製野縁を組んでいます。

当然この野縁も熱橋になっている事でしょう。

残念ながら冬のサーモ映像を撮影する事ができませんでしたが、もし撮る事が出来ていたら、さぞかしサイケデリックな絵になったと思われます。

熱橋を示す真っ青な線が定期的に並ぶ絵は衝撃的だったに違いありません。

まだまだ、断定できる訳ではありません。

でも、根本的な断熱設計のミスと施工不良が寒い家の原因だと思われます。

いくら、温暖な地域とはいえ・・・。

まだまだ解体工事は続きます。

どんなトンデモ施工が出てくるのか・・・。

引き続き、ご紹介したいと思います。

お楽しみに・・・。

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